
ゾーンに入っているときの状態をあえて言葉にすると、「主客を離れている状態」と言えます。
主客を離れるとは、私が何かをするという「主語」と「目的物」の二元性が消えている状態といえます。私がボールを打つ、私が地面を蹴るという意識が消えているとき、人は無心になっています。
いかに主客を離れていくか。
これは禅の命題ともいえます。ということは、お坊さんでもない世俗で生きる我々が取り組むには、かなり難しいテーマと言えるでしょう。
ただ面白いのは、どの選手も一度は主客を離れた状態をどこかで体験しているのです。しかし、それを再現しようとしても、もうその状態は現れないのです。
私自身の修行体験から言えることは、主客を離れようとするほど、主客に囚われています。
だから、同じようにあの状態を再現したいという心では、もうゾーンは顕れません。新たなアプローチが必要なのです。
いかに、自然に主客から離れられるような身心のトレーニングを重ねていくか。
結果を求めるスポーツにいかに結果から離れる禅を融合させていくかは、エキサイティングなテーマです。
選手達は、最初目先の結果を求めます。しかし、本当に求めているものは違うのです。
真の結果とは自己の覚醒です。真の自分に目覚めるために、目先の結果を捨てられるか。これが禅メンタルトレーニングのテーマです。
結果をはなれたところにこそ、自分の限界を打ち破る鍵があるのです。
主客を離れる道には、いろいろなステップがあります。その一つとして、今回は主客を逆転させてみるというトレーニングをご紹介します。
スポーツと禅についてお伝えしているnoteの記事を更新しました。
今回のテーマは「無心のプレーは引き算から生まれる 主客逆転のメンタルトレーニング」です。