201507usa05先日、アメリカでメンタルトレーニングを提供してきました。
今年4回目の訪米になります。
おかげさまで今回もセミナー、パーソナルセッションともに
多くの方にご参加いただきました。

日本でもアメリカでも多くの方から
「赤野さん、本当に順調ですね。」という言葉をいただくのですが、
個人的にはこの半年間は葛藤と不安の日々でした。

もちろん、挑戦にはワクワクしますし、
使命にむけてやりたいことをさせていただいているのは間違いないです。

だけど、何でこんなに苦しいのか?

理由が分からない焦りや不安が次々と自分を襲ってくるのです。
寝られない日々も続きました。

ある日、自分の枠を突破しようとしていることに気づきました。
それは、「守る」という枠です。
今まで私は、挑戦をしながらもどこか安心できるラインを決めていました。

それは、お金であり、評判であり、仕事であり、
大失敗しないために、何よりも自分自身の心が崩れないであろう
最後のよりどころを持ったうえで挑戦していたのです。

しかし、今回は未知の世界への挑戦です。
すると、それは楽しいことばかりではなかったのです。
むしろ足場のない不安や、早く結果を出したいと焦る自分と
向き合うことになったのです。

この半年間で、いろいろな自分が出てきました。
どれもこれも、ものすごく恰好悪い自分です。
結果を焦る自分、目先のお金に囚われる自分、人も自分も信じられなくなる自分、
人に八つ当たりする自分、心配で寝られなくなる自分・・・
どれもこれも、すべてコーチとしてはあるまじき、残念な人格ばかりです。

ただこれはいつか乗り越えたいと思っていた枠でもありました。
コーチして独立し、自分なりには、成長してきた実感もあり、
おかげさまで少しは人のお役にたてるようになってきたと
密かに自分を誇らしく思うようになってきました。

しかし、まだまだ過去の小さい自分が今を突き抜けて
生きることを妨げていたのです。
覚悟はしていたものの、こんなに自分を引き戻そうとするのかと
ある意味新鮮なぐらい強い葛藤が起きました。

おかげさまで十円ハゲもできました。
しかも同時に3つ。結構ショックでした(笑)

しかし、同時に確信もありました。
この不安は自分に必要なものなのだと。
間違いなく、この不安を通ることで豊かな人生につながっているのだ。

そして、ある日気づいたのです。
苦しみ抜いたある夜、時間は明け方だったでしょうか。

なぜこんなに苦しいのか。焦るのか。
自分にはこんなにも多くの執着があったのか。
自分を守ろうとしてこれだけ苦しむのなら、
いっそのこと、すべての執着を捨てよう。
守るよりも執着を捨てる方が、はるかに楽だ。

執着を知り、執着を手放せた瞬間でした。
そのとき浮かんだのは「普通」という言葉。

やりたくて努力していただけなのに、
いつしか「特別になりたい」「特別にならなければ成功しない」
だから「特別な努力が必要だ」と思っていたのです。

思えば、この「特別でありたい」という心は
小さい頃から自分を縛ってきたように思います。
せっかく親が誕生日を手料理で祝ってくれても、
特別な場所で特別な料理でないから満足できない。
もっと美味しいものを食べたかった。

記者時代も、とにかく特別なことを取材したいと思っていました。
だからこそ頑張り、スクープもとりましたが、
特別でなくなった瞬間、自分の興味もなくなり
それ以上深みのある取材ができない。

コーチとしても、クライアントにとって特別な存在でありたい。
だからこそ勉強もしましたし、懸命にお役に立とうとしましたが
自分より特別な人が出ると寂しさで嫉妬したり、
すごく不安に押しつぶされそうになっていました。
自分はあの人より特別に思われているか、
もしくはあの人は、自分より特別に思われているかという
人と自分の比較の中で、一喜一憂していたのです。

特別でないとだめだ。
特別に頑張らないと人に負ける。
特別でないと人に見放される。

しかし、特別にこだわることこそが自分の枠であり、
自分が本当の力を発揮することを妨げていたのです。

このことに気づいた瞬間、
半年間の苦しさがスーっと消えていきました。

「普通に生きる」とは、
自分にできることを淡々とやっていく。
自分にできることでお役に立てれば、それが本当の嬉しさなのだと。
そして、普通にコツコツやっていれば
必ずお役に立てるという自信も同時に湧きあがっています。

そして、また執着すると思います。
執着するたびに苦しさを感じさせてくれるわけですから
一早く、また執着がはじまったことに気づくことができます。
気づいて、とにかくすべて手放していく。

「普通」と「手放す」
苦しさと向き合えたことで、
豊かに生きる貴重なヒントを得ることができました。

豊かな人生を送るためには、通らなければならない不安があるのです。
しかし、人はこの不安や葛藤があまりにも大きいがために
無意識で避けようとするのです。

これは自分を守ろうとする本能、DNAでもあります。
しかし、そこでとどまっていては本当の自分に出会うことはできません。

苦しみに向き合うことで、真実の強さに気づくことができます。
みなさんも是非、豊かに生きるための苦しさに挑んでくださいね!!

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