先日、神戸で新しいメソッドの発表会を開催しました。
新メソッド名は「ゼロのメンタルトレーニング」です。

人が真の力を発揮するためには、どういう心を持てばよいのか。

従来、メンタルトレーニングでは、心理学や最新の脳科学などを
研究、活用してきました。
もちろん、これらの科学は素晴らしいですし、
一時的には爆発的なパフォーマンスも得られます。

しかし私は、それらの成果を真の変化だとは思えませんでした。

では、真の変化とは何か?何が必要なのか?

真の変化に至る壁を打破するため、私自身が「禅」の修行に取り組んだ結果、
「禅」の修行に根本的な法則があることが分かりました。

禅と科学のアプローチはまったく逆です。

簡単に申し上げますと、科学は「身体」と「心」を分けて考えます。
そして、よりよいパフォーマンスを上げるために
身体や心の働きをコントロールしようとします。

科学のおかげで、私たちは進歩を遂げてきました。
進歩の原動力は「欲」です。
「欲」を最大限に達成するのが科学といえると思います。

しかし科学には、支配する、支配されるという関係性があり、これが弱点です。
支配は必ず戦いを生み出します。

支配の関係は、私たちの心にも戦いを起こします。
科学だけに頼ると、いつか疲れてしまうのは、このためです。
勝ち負けではないところに、私たちが本当に求めている境地があるのです。

禅では、すべてのものを「一つ」と捉えています。
すべてがつながっているのです。
だから、コントロールする、コントロールされると考えるのではなく、
心と体の調和、ハーモニーを目指します。

調和のためには、支配するのではなく、
すべてを受け入れ、解き放つ心が必要です。

また、「我欲」を捨てて、「無心」を目指します。
勝ち負けにこだわるのではなく、
今この瞬間に、自分の心を研ぎ澄ませていくことで、
本当に必要な「気づき」が生まれます。
「気づき」は禅の修行にとって、もっとも大事なものの一つです。

禅僧は一生をかけて、この「気づきの道」を修行していきます。
「気づきの道」とは「悟りの道」ともいえます。

長く一流で活躍し続けている選手には、
勝ち負けを超えた「哲学」があります。
だからこそ、こうした選手のプレーや発言が見ている人に感動を与えるのです。

「自分の道を究めていく」
「我欲を捨てて、心を研ぎ澄ませていく」
その精神性の多くが禅に通じているのです。

一方で、禅の弱点は、会得するのに時間がかかるというところです。
禅とは座禅であり、体験から学び工夫するものであり、
頭で理解するものではないからです。
座禅会に参加して、膝や腰が痛くなり、もうこりごり
という人も多いのではないでしょうか。

「禅」を一部の人だけにしておくのは、あまりにも惜しい。
何とかスポーツやビジネスに応用できないか。
そのためには、取り組みやすい実践的な方法が必要でした。

「禅」と「科学」の特徴を理解し、
それぞれの長所と短所をうまく活かしていくこと。
まさに東洋と西洋を融合する作業ともいえますが、
今も試行錯誤しながら、スポーツやビジネスの場面で実践しています。

それをプログラム化したのが「ゼロのメンタルトレーニング」です。

ちなみに今回は、以下のような内容について実践していただきました。

  • 目標はいらない
  • 人は苦から生まれている
  • 自我を捨てて、打ち込む心を作る

いかがですか? 興味を持たれた方もいらっしゃると思います。

詳しい内容は、順次このブログでお伝えしていきたいと思います。
今後も「ゼロのメンタルトレーニング」のプログラムを開発しきますので、
楽しみにしていてくださいね。