メンタルトレーニングのコラムを連載中の週刊ゴルフダイジェスト、今週のテーマは「自分と対等なクラブを選ぶ」です。実は、クラブ選びもメンタルトレーニングの一つのテーマです。

みなさんはクラブを構えたときに、どんなフィーリングになりますか?楽な感じ、気持ちいい感じ、上手くいくような感じのときは、きっとそのプレーは成功していることでしょう。一方で、構えたときに、気持ち悪い感じ、苦しい感じ、ミスしそうな感じのときは、良い結果にはなっていないと思います。

構えたときにいかにいいフィーリングを作るかについては、これまでもこのコラムでお伝えしてきましたが、クラブとの相性もフィーリングと大きく関係しています。

皆さんはどんな基準でクラブを選んでいますか?飛距離が出る、ヘッドの形の好み、振り抜いた感触など、さまざまだと思いますが、ゴルファーは、クラブを構えたときに何かを感じていて、それが身体に影響を与えています。

ドライバーでいえば、飛ばないと感じていると力みが発生します。ボールが上がらないと感じていると無意識にヘッドアップしたりします。まずは、構えたときに自分が何を感じているかを知ることが大事です。

メンタル面で大事にしたいクラブ選びのポイントは、アドレスしたときに楽に構えられるクラブかどうかです。一番良くないのは、力が入るクラブです。上手く打たないとナイスショットが出ない、ハードスペックなので頑張って打たないといけない。これは自分より「上」のクラブを選んだ状態。サッカーや野球でメンタルトレーニングをしていても、実力が上のチームと対戦するときには力が入ります。人は自分の実力より上だと思うと、余分な力が入るようにできているのです。チームプレーにおいては、挑戦心を生み、いい結果につながることもありますが、ゴルフにおいては、構えたときに無意識に身体と心は力むので、ナイスショットが出る確率は低くなります。

レベルが上のクラブへの憧れ、格好よさという見栄、もっと飛ばしたいという欲はあると思いますが、まずは自分と対等に感じるクラブを選ぶことが大事です。練習場で一本ずつ構えてみて、上に感じるか、対等に感じるかチェックしてみましょう。そして、上に感じるクラブは対等なクラブに変えることをお勧めします。

フィーリングにおいてもう一つ大事なポイントは、苦手なクラブがキャディバッグに何本入っているかです。苦手と感じている時点で、心と身体は打つことを拒否しています。たまたま上手く打てることはあっても、いいフィーリングはなかなか生まれません。苦手と感じるクラブは一度バッグから取り出して確認してみましょう。何本あるでしょうか。

苦手なクラブへの対処法は2つ。練習して苦手を克服する。もう一つは、クラブを変えることです。苦手なクラブを克服する努力は大事です。ただ、苦手なものに固執していると、他のクラブにも影響を与えます。苦手なクラブはバッグから抜いて、楽なクラブに変えていきましょう。

いいフィーリングは待っていてもやってこない。これもスコアアップの大事なポイントです。