スポーツのメンタルトレーニングと禅 助走は靴を脱ぐところからはじまっている

オリンピック出場を目指す陸上選手へのメンタルトレーニングの続編です。

走り幅跳びでいい踏みきりをするためには、最後の5ステップがポイントになるそうです。でも、この5ステップを意識するとリズムが崩れてしまう。

この5ステップが自然にいい感じになるためには、その前の走りが大事。そして、いい走りをするには、いいスタートが肝になる。

そして、いいスタートを切るには、スタートラインで構えるまでのルーティーンをどう作るか。

飛べた距離はあくまで結果。小さな一つ一つの積み重ねが、最後に結果として現れてくるというのが真実ではないでしょうか。

「靴紐を結ぶところから勝負ははじまっている」と語った選手もいるそうです。

また、あるヨガの先生は師匠から「ヨガマットを引くところからヨガは始まっている」と厳しく指導されたそうです。

ちなみに、この日、脱いだままの靴がベンチの下にそのまま置かれていました。そのことを伝えたところ、「早く飛びたいという気持ちが強かったので、靴のことを忘れていた」とのこと。

ちゃんと靴を脱げていないということは、靴も履けていないということ。靴を履けていないのに、歩くことは始まらない。歩けていないのに、走ることははじまらない。

靴を履くためには、まずきちんと靴を脱ぐこと。

これが心を整えるということだと思います。競技のときだけ心を大事にしようとしても、それはむしろ不自然になる。

何かを究めていくというのは、本当に厳しい道といえます。

禅の師匠は、「いま、この瞬間には、ひとつの行為しかできない。なので、行為というのはとても厳粛なのです。その時したことは必ずあとに尾を引くのですよ。だから、何事もうっかりやってはいけない。」と話されていました。

普段師匠は、本当に自由で柔らかい方なのですが、その柔らかさは、厳しさがあってこそなのだとあらためて感じました。

トップ選手になるほど、一つの行為が厳粛です。厳粛というのは、決してやらされて身につくものではありません。自分の中での、心の持ちよう、ありようです。

そのありようが、最後の踏みきりに現れてくるのです。

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