ゴルフを18ホール回っていると、途中まで上手くいっていたのに、突然乱れ始めることがあります。これは、ビギナーからトップアマチュア、プロまですべてのゴルファーにいえることです。

うまくいっているときは誰しも自信がありますが、崩れ始めると自信が揺らぎます。残念ながらこういう苦しい状況は、18ホール回っていると最低一度はやってきますよね。いかに早くショットやパットを立て直せるかが、その日のスコアを作る鍵になります。

皆さんはこういう時にどう対処していますか?慣れないことや新しいことをしようとしていませんか。そうではなく苦しい時には、原点に戻ることです。

原点といわれてピンときた方は、立て直すのが得意だったり、粘り強いプレーが出来ていると思います。しかし、一方で原点といわれてよくわからない方は、いい時と悪い時の差が激しく安定感が課題かもしれません。

原点には、いろいろあります。これまで指導する選手たちと原点を探してきましたが、多くの選手に共通する原点は、「振り切る」ことでした。ただ、同じ振り切るでも「しっかり振り切る」「思いきり振り切る」「フォローを大きく」というように少しずつ個人によって感覚は違うようです。また「ゆったり」とか「スパッと」というリズムに戻ることもあるでしょうし、それ以外にも「最後までボールを見る」「しっかり肩を回す」「下半身の回転で打つ」ということが原点であるゴルファーもいます。また、「笑顔」「どんなときも楽しく」「無心で」「攻める気持ち」「淡々と」という心の状態が原点になるケースもあります。これは個人によって違うので、まずは自分の原点をしっかり探しておくことが大事になります。

原点の大切さは練習にもいえます。普段の練習では、スイングの改造やショットの修正に取り組まれると思います。ただ、スイングを直そうとしていると、どうしても少しずつ原点から遠ざかっていきます。

練習の時は上手く打てていても、本番ではなかなか上手くいかない。スイングを修正していて調子を崩したという悩みをプロ、アマチュア問わずよくお聞きします。これはスイングを修正していると、本番で振り切れなくなることが原因です。スイングの修正は頭で考えながら直していくので、自然にはできません。また、綺麗なスイングを目指していると、その逆の綺麗でないスイングに対しての恐れが出ますし、不安からどうしてもボールの行方を早く見たくなります。そうすると、本番で振り切ることが怖くなり、肩や腰が回らなくなります。結果として、一番の基本であるフォローが出なくなるのです。

スイングを修正中に大事なことは、練習の最後に原点に戻す練習を行うことです。無心で振り切ってみるというような感じでしょうか。そうすることで、本来の体の動きやリズムを見失わないスイングの修正ができるのです。

原点とは自分の軸ともいえます。あなたのゴルフの原点、ぜひ探してみてくださいね。