アメリカのメンタルトレーナーのジョゼフペアレント博士からメンタルトレーニングについて学んできました。プロゴルファーだけでなく、ゴルフ好きのアマチュアの方にも非常に役に立つ考え方ですので、折に触れて紹介していきます。

ジョゼフ先生は心理学と仏教の研究に取り組み、スポーツ心理学と禅の英知、そしてインストラクションの組み合わせにより、30年以上のトレーニング実績を誇っています。

世界を代表するプロゴルファー、ビジェイシン選手は、極度の不振に陥っていたときジョゼフ博士に出会い、トレーニングを受けることで、その当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったタイガーウッズを退けて、2003年に世界ゴルフランキング1位の座をつかみました。

まずは、ゴルフにおいてはコンセントレイトが大事だと言われていますが、ジョゼフ博士はむしろコンセントレイト(集中)し過ぎることで逆に実力を発揮できないと指摘しています。

例を上げれば、ボールを打とう打とうとし過ぎた時、力が入ってダフッたりトップした経験は誰しもあると思います。これは1点に集中しすぎたため、心と体に無理な力が入っている状態なのです。

1点に集中しすぎるコンセントレイトではなく、心のターゲットをもっと広げておくことが大事なのです。それをジョゼフ博士はフォーカスとよびます。

ボールを打とう、飛距離を出そうと頑張りすぎるのではなく、何にも考えずに打てた時、ベストショットが出た経験はだれしもあるはずです。

その状態はリラックスしながらほどよく集中している状態です。

1点に視点を集めるのではなく、大きな視野でターゲットをとらえ、穏やかな心の状態が一番力を発揮できるのです。

そしてこの心の状態は自分で作ることができるのです。

ゴルフの道具は日々進化しています。そして技術についてはさまざまな理論をみなさんいろいろ学んでいますし、体についてはフィジカルトレーニングがあります。

しかし、心についてはその重要性が認められてきませんでした。メンタルトレーニングの本場アメリカでも、十数年前まではメンタルのコーチをつける人は問題がある人として扱われてきたそうです。

それがタイガーウッズ選手の登場で大きく変わったそうです。 日本では体の強さと技術のうまさが魅力と思われがちなタイガーウッズ選手ですが、アメリカのプロたちの間ではむしろタイガーの心の強さが並はずれているという評価だったのです。

タイガーのような強さを身につけたいとメンタルの強化についての関心が一気に高まったのです。

それからメンタルトレーニングは、心の問題という認識ではなく、ゴルフの力を高める重要な要素をして 認められるようになりました。

次回以降もアメリカで学んださまざまなメソッドを紹介していきます。

お楽しみに。