スポーツのメンタルトレーニング 一点に偏らない 感覚を広げよう

「行き詰まる」という状態があります。

いろいろな理由がありますが、行き詰まった状況に共通しているのは「何か」にこだわっているという点です。

私たちの意識は、何か特定のものにフォーカスするように出来ています。

何かを懸命に見ていると、周りの音は聞こえなくなります。
また、何かを考えていると、風は感じられない。

なかなか不器用に出来ています。

特に「行き詰まり」を感じるときは、まさに何かが詰まっていて、抜けていない状態。

心理学では「注意配分」という言葉を使いますが、何かに注意の配分が行き過ぎると、全体が見えなくなる。結果的に、偏った状態での判断になりがちです。

注意の配分を思考で何とかしようとすると、さらに注意の配分が偏っていきます。

「行き詰まり→思考での解決」には限界があります。AかBかどちらが正解かと考えても答えが出ない。

そこで、大事になるのが、身体を使って、注意配分を均等化し、「全体を感じる」状態を作られるか。

禅の師匠である藤田一照老師は「坐禅においては、特定のものに偏らないで、すべてを均等に柔らかく受け取るかが大事ですよ」と話されていました。

行き詰まっているときに坐禅をしていると、妙に息の速さや深さにこだわったりしています。いい息をしようとするほど息するのが苦しい。しかも、自分を見る目も厳しかったりします。

まさにこれが行き詰まっているというなのだなあと感じます。

全体を柔らかく均等に受け取ることで、次第に「何か」へのこだわりが薄まります。

日によってはどこかで、ふっと力が抜ける瞬間があります。しがみついていた「何か」を手放せた感じかもしれません。

これは、AでもBでもない、本当の課題に気づけた瞬間。自分が何にこだわっていたかに気づけることで、絡まっていた糸はほどけたりします。

まさに注意配分がリセットされると、行き詰まっていたものが抜けます。

週刊ゴルフダイジェスト第37号、メンタルトレーニングのコラム「禅の境地へ」第128回のテーマは「均等に感じる」です。

今週も表紙は渋野日向子選手ですね。恐らく、今は激変した周りの状況に、必死に追いつこうとしている状態ではないでしょうか。

そして、追いつけていない自分自身にいろいろな重圧がかかってくる。それはプレーにプレッシャーというおもりをつけられたようなもの。

いかに葛藤を力に変えていけるか。少し長い目で見てあげたいですね。

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ