以前もお伝えしましたが、
40歳になってからお茶を習い始め、
週に一度お稽古に通っています。

先日、お茶会のお手伝いにいってきました。
私のお茶歴は5年あまりになりましたが、
先輩方は主力が60代と70代、
私はもっとも若い部類とあって、まだまだ新参者です。

自分としては初めての世界なのと、
またほとんどの方を知らないので、
かなり緊張して参加しました。

なので自分としては頭も体もフル回転して
頑張ったつもりでしたが、
足の運び方からおもてなしの作法まで
先輩方からいろいろと指導されました。

中には上から目線のものもあり、
ボランティアで手伝いに行っているのに
何でこんなことまで言われなくてはならないのか、
もっと言い方があるのではないか、
いろいろと不快な思いが浮かびました。

ただ、1時間もやっていると
お手伝いに夢中になっている自分がいました。

一日が終わるとクタクタでしたが、
同時に心地よい爽快感が残りました。
普段の仕事とはまったく違う感覚なのです。

コーチという仕事も10年目に入り、
おかげさまでクライアントの皆さんからは、
熱い支持をいただいていると自負しています。

一方で講演会などにいけば「先生」と呼ばれ、
いつしか初心者かつ未熟者で頑張るという経験は
なくなっていたのです。

しかし、お茶会での経験は
普段の仕事とはまったく違ったものでした。
高校の部活動にまったく未経験で入部した
1年生の感覚といえばおわかりいただけるでしょうか。

自分ではいつも初心と謙虚を心掛けていたつもりでしたが、
実際は上から指示される立場に自分を置くのは
嫌だったことにも改めて気づきました。

お手伝いにはお手伝いの道があり、
なかなか奥が深いものだと感じました。

コーチは人の成長のお手伝いです。
今回の経験を通してお茶にも仕事にも
さらにエネルギーが湧いてきました。

ちなみに経営者は部下になることはありません。
言い換えれば、会社では経営者以外の立場は経験できないのです。
これにより、時には視野が偏ってしまうことがあります。

このことを意識されているのか
私が出会う経営者の中には
例えばボランティアでも責任者ではなく、
メンバーや裏方で参加してみる。
趣味のお茶でもお点前だけをするのではなく
受付やお手伝いをしてみる。
まったく異業種のいろいろな立場の人と友達になる。
あえて色々な立場に身を置く方がいらっしゃいます。

こういう方は経営でも非常に柔軟な考え方を持ち、
立場や慣例にとらわれず、
常に自分に生まれる壁を突破しながら
新たな挑戦をされています。
当然こういう方には部下の支持もついてきます。

恐らく経営者やアスリートがコーチングを受けられるのも、
1人の人間として、上でも下でもなく客観的な立場で意見を言ってもらうという
状況をあえて作られているのだと思います。

ちなみに今、私は様々な方のコーチをしていますが、
私もコーチをつけています。
それはクライアントの立場での経験を大切にしているからです。
クライアントの経験をすることで、
コーチとしての幅や深みが出てきます。

また場所を変えてみるのも、心に新風が吹き込む機会になります。
人は、必ずワクワクする場所を持っています。

私にとってはアメリカです。
まだまだアメリカではビギナーですが、毎回、面白い出会いが生まれます。
この挑戦を始めて以来、コーチとしても人としても
幅が広がったように感じています。

私のクライアントさんも、
イタリア、アメリカ、シンガポールにそれぞれ挑戦されていますが、
自分のワクワクを信じて突き抜けた結果、
皆さん、日本でのビジネスも結果的に新たなステージに入っています。

日本でも本当は山が好き、田舎が好き、こういう感覚を大事にするといいですよ。

最近、頑張っているけど何か新鮮さがないという方、
立場やプライドが素直さを邪魔している方、
部下が心を開いてくれないという方、
あえて違う立場や場所に挑戦してみることで
心に新風を吹き込んでみてください。