メンタルトレーニングと禅 過剰反応と「待つ力」

皆さん、お正月はゆっくりされていますか?
私の方は、今日からプロゴルファーとの新年合宿に入っています。

メンタルトレーニングのコラムを連載中の週刊ゴルフダイジェスト、新年最初のテーマは「過剰反応と待つ力」です。

皆さんには、このような傾向はありませんか?

・ついキョロキョロする
・すぐにイライラする
・怒り出したら止まらない
・人の言葉ですごく落ち込む
・周りの評価がすごく気になる
・人と比べて落ち込む
・結果で一喜一憂する
・運転すると人が変わる
・許せないという言葉が口癖だ

人は多かれ少なかれ周りが気になるものです。ただ、周りに「反応しすぎる」、もしくは「衝動を制御できない」とすれば、あなたは外部のものに、必要以上に敏感になりすぎている可能性があります。

人の脳はもともと、生存本能から外部のものに反応するようになっています。ライオンやオオカミから逃げずにいたら食べられてしまいます。人間は特に危機に対して、敏感に反応します。

現代社会では、情報量が圧倒的に増えていて、人間関係も複雑になっています。脳の思考活動が過剰になるとき、人は過剰反応になっていきます。特に不快な出来事に対しては、瞬間的に怒りが爆発したり、泣き出したり、おおげさに物事を捉えたりということが起こります。

脳が一時的に興奮状態になっているので、その瞬間は気持ちよさを感じるケースもあります。しかし、しばらくして自分を取り戻した後には、なぜあんなことにこだわったのだろう、またやり過ぎてしまったといった後悔の念や自責の念が沸き起こってきます。「過剰反応→衝動行動→自己嫌悪」、この繰り返しでは、自分に自信を持つことが難しいです。

ゴルフでいえば、3パットしたことが許せず怒りが爆発したり、同伴者にドライバーの飛距離で勝とうとしてムキになりスイングのリズムが崩れるなどです。

一つ実験をしてみましょう。目を閉じてみてください。ゆっくりと呼吸に意識を向けましょう。そして20秒後に、目を開けてみてください。いかがですか?目を開けたときに、意識は見えるものにいきませんでしたか。意識が外にいくと呼吸している内側の感覚がなくなります。このように人は内側よりも外側に意識が向きやすいのです。特に調和を重んじる日本人は、周りを気にする傾向が強いといえます。

周りに対して過剰反応する方は、自分への安心感が低い傾向があります。安心できないと過敏になり、過剰反応を起こします。安心感を高める一つのメンタルトレーニング法として、自分の周りにバリアを張るイメージを持つことです。相手との間に頑丈で透明な壁を立てるのもいいですし、トイレに入っている感じもいいと思います。周りを遮断することで、意識の矢印が内側に向き、自分のことを感じやすくなります。安心感が低い方は、外部との関わりをシャットアウトするくらいで丁度良いのです。まずは、自分を大事にすることからはじめましょう。

坐禅にもさまざまな形がありますが、曹洞宗では壁に向かって坐ります。最初は、目の前に壁があることにとまどいもありましたが、慣れてくると、壁があることで内側に意識を向けやすいことが分かってきました。

人の心は「無常」。大事なことは、反応した通りに行動するのではなく、ただじっと静まるのを待つのです。これを私は「待つ力」と呼んでいます。我慢して、反応が過ぎるのを待っていると、やがて衝動も静まっていきます。嵐がやってきて、通り過ぎるような感じです。この嵐は数秒から長くても1分。ただ待つことで、心の中に青空が戻ってきます。

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