メンタルトレーニングと禅 「3S」の心その1 しなやかな心

メンタルトレーニングのコラムを連載中の週刊ゴルフダイジェスト、今回のテーマは「しなやかな心を作るメンタルトレーニング」です。

今回から「3S」のメンタルトレーニングについてお伝えしていきます。3Sというと、ビジネスをされている方は、「整理・整頓・清掃」を思い浮かべるかもしれません。メンタルトレーニングの3Sとは、「しなやか、したたか、しぶとく」です。これは、茶道の師匠からいただいた言葉です。

最初のSである「しなやか」は、なかなか奥が深いテーマです。強さというと、鋼のような心をイメージされるかもしれませんが、鋼はどんなに強くしても、それ以上強いものに叩かれれば砕かれます。一方でしなやかさとは、どんなに強い風に吹かれても倒れない竹のようにしなる心です。周りの環境に合わせながらも、決して自分の軸はぶれない。しなやかさについては以前もお伝えしましたが、今回は「攻め」と「守り」という視点から考えてみたいと思います。

人は、勢いがあるときには攻め、逆に勢いがなくなったときには守りに入りがちですが、ここれでは勝負に勝つことはできません。攻めか守りかというどちらかの心だけで戦おうとすると、偏ってしまうのです。

ゴルフであれば、最終ホールをボギーで上がればベストスコアだという状況では、守りに入りたくなります。そういう時に、守りだけになってしまうと、ボールを置きにいって振り切れなくなったり、安全に行きすぎてパットを大きくショートしたりします。結果的に一打足らず……ということになるのです。守りにいって守りきれなったというのは、結果以上に大きな後悔を残すことになります。

アマチュアで100がなかなか切れないという方は、ひとつひとつのプレーが攻めと守りのどちらかに偏っています。例えば、ミスを一度してしまうと、そこからミスの連鎖を立て直せず、ダボやトリプルになってしまうのです。ミスしたときこそ、「攻めながら守る」という意識を持つことです。例えばティーショットをミスした後、どこに打てばボギーを拾えるか考えて、狙いを定めてしっかり打つ。それくらいの強い気持ちで打たないと、ミスに怯えたプレーになってしまいます。何となく打った次のショットは、またラフにつかまってしまうでしょう。また、アプローチも何となくグリーンに乗ればいいと思うと、ザックリしてグリーンに乗らなかったりします。そうではなく、1ピン以内に何としてもつけるという強い意識を持って狙うのです。すると、ミスしてもグリーンにはオンするようになります。ロングパットを何となく寄ればいいと思って打つのではなく、あそこにこれくらいの強さで打つと、しっかり決めて打ち切る。

このような指導をさせていただくと、アマチュアの方のほとんどが、100を切れるようになります。ひとつひとつのショットやパットに執念が出てくるのです。「守りながら攻める」という意識は体にも現れます。ショットは最後まで振り切れるようになりますし、パターのヘッドもしっかり出て来ます。

「攻める」と「守る」という両極の心だけでは本当の強さを発揮できません。「攻めながら守る」「守りながら攻める」という心を持つことで、どんな状況でもしなやかに対応できるのです。

次回以降は、「したたか」「しぶとさ」のメンタルトレーニングについて引き続きお伝えしていきます。お楽しみに。

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ