メンタルトレーニングのコラムを連載中の週刊ゴルフダイジェスト、今週のテーマは「チョコレート瞑想のススメ」です。

女子プロゴルファーとラウンドレッスンをしていたときのこと。その日は、ナイスショットを連発していました。しかし、14番のティショットで急に左にひっかけてOBが出たのです。本人も調子が良かっただけにショックだったのでしょう。そのホールはダブルボギー、次のホールもボギーと崩れてしまいました。

フェードで右サイドを狙っていたので、完全な逆球です。ゴルファーにとって、イメージとはまったく違う逆球ほど嫌なものはありません。このプロによると、「心と体がバラバラだった」とのこと。

この日のメンタルトレーニングのテーマは「6割の心でプレーする」でした。ドライバーは飛ばしたい。アイアンは寄せたい。パットは入れたい。これは自然に湧いてくる思考なので良い、悪いではありません。ただこの思考を放っておくと、「もっともっと」と心はどんどん力んでいきます。

心が力むと体も当然力んでいきます。この力みがミスショットやミスパットを生み出す原因になります。「6割の心」を常に意識しておくことで、この日は楽にショットやパットが出来ていました。では、なぜ逆玉が生まれたのか。

逆球が出たときのティショットを見ていると、「一呼吸」がないように見えました。ちなみに伏線はありました。13番で3メートルのバーディパットを外していたのです。調子が良かっただけに悔しそうでしたが、メンタルトレーニングの成果で、パッティングのミスを次のプレーに引きずることはなかった。ただ、心はそう思えていたようなのですが、体が力んだままだったのです。これだと、心と体のバランスが崩れているので、スウィングはバラバラになってしまいます。

13番のミスパットで心に悔しさが残りましたが、これは身体も同じ。身体にもミスをしたという硬さが残っているのです。なので、心だけ切り替えても、身体は硬いままになってしまうことがあります。

心にも身体にもコヒーレンスという心拍のようなアップとダウンの一定のリズムがあります。しかし、緊張したりミスをすると、リズムは乱れます。力んだ心をリセットするために深呼吸して一呼吸置く大事さを以前にもお伝えしましたが、心だけでなく身体にも一呼吸置いてもらう必要があります。

身体がリラックス出来るようなことをしてあげるのです。たとえば人間の身体にとって、木々が風に触れる音はとても心地よい。サーという音にフォーカスすることで、身体が一呼吸できるのです。空や緑を眺めたり、地面を感じることも有効です。

ストレスを感じたり緊張すると、口の中が乾くというゴルファーも多いと思います。交感神経が刺激されると唾液の分泌が抑制され、口の中が乾くのです。そこで体をゆるめるために、次のプレーまでの時間に、レーズンかチョコレートを使った瞑想をしましょう。

①手に取って感触を確かめ、匂いを嗅ぐ
②口の中に入れて、しばらくは飲み込まず舌の上で感覚を探索する
③ゆっくりと飲み込む
④余韻を感じる

先ほどの女子プロゴルファーは、レーズン瞑想をやったところ最初まったく味がしなかったそうです。緊張してくると、味覚も失われるのです。唾液が分泌され、味わうという感覚を取り戻すことで、身体が自然に一呼吸できるのです。

身体の感覚は繊細で分かりにくい。だからこそ、いかに大事にしてあげるか。身体をリラックスさせてあげることも、大事なメンタルトレーニングです。